走り続けてきた40,000km 東京オリンピックを目指し、次の100,000kmへ
走り続けてきた40,000km 東京オリンピックを目指し、次の100,000kmへ

Column 「続けること」 Vol. 03<後編>
走り続けてきた40,000km
東京オリンピックを目指し、次の100,000kmへ

「走ることは、人生そのものに似ているんです」
毎日何かをコツコツ積み重ねていくこと、夢へと向かって努力していくことについて訊ねたとき、彼の口から出てきたのはこの言葉でした。

「“走る”ことはとてもシンプルで誰にもできる事、だからこそ奥が深い」と大谷さんは言います。「どれほど毎日努力をしても、届かない夢もある。だけど、続けていかないとそこへはたどり着けないと思っています。『何のために走るのか?』と尋ねられるとき、いつも同時に『何のために生きているのか?』という言葉が頭に浮かんでいたのです」今まではそれにうまく答えることができなかったそうですが、出雲駅伝優勝や箱根駅伝への出場を通して、その答えに少し近づけたと大谷選手は言います。「応援してくれていた人たちの『感動したよ』『ありがとう』という言葉を聞いたとき、心の底から喜びが込み上げてきました」

「日々の積み重ねが走りを通じて、身体に乗って、それを見てくれている人が感じてくれている。『この為に走っているのだ、生きているのだ』と思えました」日々の積み重ねはたしかに地味で退屈なものかもしれません。ですが、彼はこう言います。
「今なら夢、希望、感動を与えているために走っていると胸を張って言えるんです」

「自分にウソをつきたくない」
毎日何かを続けていくことは、思うよりも大変なことでしょう。彼のモチベーションの源泉には、人に“感動”を与えることと同時に、自分自身に“誠実”でいたいという青年期からの信念があるようです。日々の練習の中で、時折、「諦めちゃっていいよ」「逃げてもいいよ」ともう一人の自分がつぶやくことが大谷選手でもあるといいます。そういった邪念に引っ張られそうになるときも、昔から目指してきた自分の理想像に近づけているのか自問自答を繰り返し、自分を奮い立たせるのだそうです。目標から逆算して考えてたり、目の前のことを建設的に捉えたり、時には斜めから考えたり、色々なアプローチから考えることも必要ですが、けっきょくは「好き」だから続けることができたのだといいます。

「高校から大学、大人になるにつれ、選択肢が広がっていくなかでも自分の軸をブラさず、コツコツやっていくことはすごくカッコイイことだと思います」
この考えの裏には彼独特のキャリア観があります。それは10個の道があるとき、1つを選んだのではなく、9個を捨てたのだという捉え方。だからこそ選んだ道にプライドを持ち、一生懸命にコツコツ取り組むことは彼にとって“義務”だというのです。

陸上を始めてから、次で9年目。これまでの人生で走ってきた総距離は地球一周をゆうに越える5~6万kmという計算になります。「出雲駅伝」の優勝は彼にとってのゴールではありません。彼が走るであろう次の5万kmは「東京オリンピック」に向かっているのです。

大谷遼太郎さん

Ryotaro Ohtani

大谷遼太郎さん

埼玉県出身。浦和実業学園高校を経て青山学院大学に進学し、現在トヨタ紡織 陸上部所属。

http://www.toyota-boshoku.co.jp/jp/athletic/athlete/athletelist.html?name=Ryoutarou_Ootani

2014年1月1日に群馬県で行われたニューイヤー駅伝。1区の入場セレモニー。 2014年1月1日に群馬県で行われたニューイヤー駅伝。1区の入場セレモニー。
2013年12月の頭に行われた八王子ロングディスタンス記録会での走り。 2013年12月の頭に行われた八王子ロングディスタンス記録会での走り。
ニューバランスのレーシングシューズRC1300。軽さとクッション性がすごく気に入っているとのこと。 ニューバランスのレーシングシューズRC1300。軽さとクッション性がすごく気に入っているとのこと。

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