小さなビジネスを地道に拡大 以来8年間、こつこつと ヴィンテージ食器を撮影し続ける
小さなビジネスを地道に拡大 以来8年間、こつこつと ヴィンテージ食器を撮影し続ける

Column 「続けること」 Vol. 01<前編>
小さなビジネスを地道に拡大
以来8年間、こつこつと
ヴィンテージ食器を撮影し続ける

「とても地味で、地道な作業です」
都内3店舗で輸入インテリア・雑貨ショップを共同経営する井川雄太さんは、営業日に8年間にわたり続けてきた作業をそう表現します。
「でも、つらい努力ではありませんでした。行為自体に楽しさがあるわけではないのですが、続けた結果として起こる出来事に楽しさがあるからです」

その作業とは、海外で仕入れてきたヴィンテージマグなどのアイテムを、ひたすら写真に収めること。3店舗のうち、アメリカのミルクガラス製ヴィンテージマグを中心に扱う「DEALERSHIP」では、8年前の創業当初から変わることなく、同じ角度、同じ光量、そして同じカメラでひたすら製品のディテールを撮影し続けてきたそう。その数10,000種類。アイテム数では、軽く数万点を超えるそうです。慌ただしい日々の中で使い続けたカメラも次々と壊れていき、現在のものは同型で3台目とか。

1つの製品を、様々な角度から撮影するだけではありません。そこには、ヴィンテージ製品を扱う者の宿命ともいえる、「来歴」を調べ上げる作業が加わります。扱う製品は、主にアメリカの1920〜1980年代に作られたもの。当然、資料がないものが多く、たとえ現地に行っても使っている人はもちろんのこと、存在を知っている人ですらわずかという状況なのです。そこで、限られた洋書資料を読み込み、ガレージセールなどで出会ったマグの底部に刻印されたロゴの形や製造番号、そして製品の形状・状態などから、製造年やその価値を突き止めていくといいます。

「考えてみれば、気が遠くなる作業です。創業した頃は、ウェブ上にも情報はほとんどありませんでした。でも、だからこそ自分たちがやる価値があると確信できたのかもしれません」

高校生の頃から、将来はミュージシャンか雑貨ショップを経営したいと考えていた井川さん。大学入学後もその思いがますます募る中、ある日友人が持っていたアンティークマグを目にしたことで、人生が大きく変わっていきます。触れた時、直感的に「いいな」と感じ、すぐにショップへ買いに行ったマグは、1点10,000円。

「当時はさすがに怖くて、日常生活で使えませんでした(笑) だから、熱心なコレクターというわけではなく、少しずつ買い始めたという感じでしたね。ただ、その時初めて、これでショップが作れるのではないかと思ったのです」

当時は資金もなければ、店舗運営の経験もありません。そこで、経験を積むために、卒業後は小売業界へ就職。最初から決めていた4年という期限で資金をため、店長なども経験した後に、ついに夢だった雑貨ショップを創業したのです。

「人が見たことのないもの、ワクワクドキドキするようなものをいっぱい集めよう、そう心に決めました」

井川雄太さん

Yuta Ikawa

井川雄太さん

東京・高円寺に2店舗、東京・吉祥寺に1店舗、輸入インテリア・雑貨ショップを共同経営。「DEALERSHIP」では、主にアメリカのミルクガラス製ヴィンテージ食器を扱う。

「DEALERSHIP」
http://www.dealer-ship.com

ファイヤーキングやパイレックスのミルクガラスマグは、どこか懐かしくキュートなデザインで女性に人気が高いもの。 ファイヤーキングやパイレックスのミルクガラスマグは、どこか懐かしくキュートなデザインで女性に人気が高いもの。
ショップには、ファイヤーキングやフェデラルなど、アメリカのミルクガラス製ヴィンテージ食器が、所狭しと並んでいます。 ショップには、ファイヤーキングやフェデラルなど、アメリカのミルクガラス製ヴィンテージ食器が、所狭しと並んでいます。

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